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絵皿

絵皿。
主に日本画を描くときに、絵の具を溶いたり混ぜたりするのに使う白い皿です。
絵の具皿、とも言うらしいけど私は絵皿と呼んでいた。
私は以前アクリル画を描いていたとき、パレットではなくこの絵皿を愛用していました。
アクリル絵の具は乾くと耐水性の膜状になるので、使用後の絵皿は水を入れておくと乾いた絵の具が簡単&綺麗にはがれるので後始末が楽なのです。
さまざまなサイズの絵皿を、かなり大量に持ってました。

しかしやがてアクリル画は描かなくなったので、数年前の引越しの時に全部処分しました。

処分…したはずだった。



時は流れて2012年1月。
先週、胃腸に来る風邪をひいたので、夕食時の献立がいつもとは少し違う内容になった。
女房がスーパーで買ってきた豆腐ハンバーグが一品追加という形で食卓に上りました。
食事しながらその豆腐ハンバーグが載った皿をなんとなく眺めていたんですが…。

真っ白で、模様は全く無し。持ち上げて裏を見ても、文字も刻印も無い。
ずいぶん地味な食器もあったものだな、と思って皿を再び置いたとき、突然ある考えが脳裏をよぎった。



「これは、もしや処分したはずの絵皿では…???」



そう思って見ると、似ている。アクリル絵の具を溶くのに何度も使った、あの見慣れた絵皿に。

考えてみれば、大量の絵皿を不燃ごみとして処分するときに、全てを一箇所に集めて点呼を取って見送ったわけではない。
たまたま一枚だけ別の場所に置いていたために、一斉処分の難を逃れた奴がいたかもしれない。
引越し直前で慌てて荷造りしているときに、一枚だけぽつんと残されている絵皿を見て、家族が「こんなところに食器がまだあった!」と思って紙で包んで食器類のダンボール箱にねじ込む。これは十分あり得る。
そうして他の食器とともに梱包された一枚の絵皿は、引越し後は当然台所でダンボール箱から出されて食器棚の中へ…

そうして今回、豆腐ハンバーグという追加の一品のために女房が手ごろな皿を食器棚の中で探し、選ばれたのがその絵皿…。
という可能性は、ゼロではない…???


どうも肌色を作るときによく使ってたサイズの絵皿と、非常に似ている気がする。
描き終えた絵の上にグロスポリマーメディウムを塗って表面保護&艶出しをするときにも、よくこのサイズの奴を使った。
そう思って見ていると、どうしても絵皿に見えてくる…
食器で、裏にまったく文字も刻印の類も無いってのも変だし…


件の皿は、再び食器棚の奥へ収納された。
もう一度取り出してよく検証してみたい気もするが、考えてみれば何も結論を出す必要もないことで…
絵皿は使用後は毎回よく洗っていたから、絵の具が付着したままということはまず無いはず。
仮に少量が表面に残っていたとしても、アクリル絵の具の顔料は乾けば完全耐水性のアクリルエマルジョンの中に取り込まれるので、最悪食べたとしても害は無いと思われる…等と自分に言い聞かせるように考えたり。


また胃に来る風邪をひいて豆腐ハンバーグが食卓に上る日まで、あの皿は出てこないかもしれない。
まぁ9割以上の確率であれは食器としての皿であり、絵皿では無いと思ってます、が…やはりもしかして…

なんとなく、あれが絵皿だったらいいなと考えている自分もいる。

という皿の話でした。
長い文章を久しぶりに書いた!

内容とは無関係のラクガキ→
絵皿_a0090982_328115.jpg

by masamingm | 2012-01-25 03:39 | Comments(0)

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